Kudanを知る「6つの視点」

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グローバル育ち、世界的な先鋭技術集団

グローバル生まれの技術集団

 Kudanは2011年に英国のブリストルという都市で、人工知覚が深く関係する拡張現実(AR)に取り組む企業として創業しました。拡張現実(AR)を開発する中で、コア技術としての人工知覚の重要性と、多くの産業に与える影響性に注目し、コア技術そのものを深掘りして研究開発する道を進んだのち、日本で上場しました。

 その後、同じく人工知覚分野に注力していたドイツ企業Artisense社を買収したことで、組織はさらにグローバル化し、現在も社員数の大半を占める欧州を中心に研究開発を行っています。また、事業はアジア・欧州・北米に展開しており、Kudanは東証上場の新興企業としては小規模ながらも、真にグローバル規模で運営される企業です。

 欧州は人工知覚(とその主要技術であるSLAM)の研究開発においては、世界的な中心地域であるため、研究開発の根を欧州に張ることは極めて重要です。ドイツ・イギリス・スイスの大学・研究機関が軒並み研究成果の上位を占めており、エリート技術人材は、Kudanが研究開発拠点を置く地域に集積しています。

 そして、SLAM研究で頭一つ抜けた存在であるミュンヘン工科大学(TUM)から創業したのが、正しくKudanが買収したArtisense社です。この買収によって、グローバル最高水準の研究開発力をさらに強固にすることができました。

世界的第一人者による技術の囲い込み

 そのキーマンが、SLAM研究の世界的第一人者であるダニエル・クレーマーズ教授です。Artisense社の創業者であるクレーマーズ教授は、ミュンヘン工科大学の主席教授にして、ドイツ学術界における最高権威であるライプニッツ賞を受賞するなどの実績を持つ研究者です。

 コンピュータサイエンスはノーベル賞の対象ではないものの、クレーマーズ教授の論文引用指数などの実績はまさしくノーベル賞級であり、日本の研究者と比較するとたとえばIPS細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授と同じ水準です。

 そのクレーマーズ教授の大きな功績の一つが、Direct SLAMと呼ばれる、緻密で環境変化に対して強靭、かつ高い安定性を誇る次世代の革新的な技術で、KudanはArtisense社の買収に伴ってその商用化権利を独占所有しています。

Intel製品への採用は「世界初となる業界マイルストーン」

 このように積み上げてきた世界最先端の技術力は、テクノロジー業界にも徐々に認められつつあります。例えば、KudanのSLAM技術は2022年に世界で初めて、大手半導体企業のプラットフォームへ本格採用される商用技術となりました。

 具体的には、インテルのロボット向けパッケージの中核にある、地図作成・利用のモジュールにKudan技術が採用されており、まさしく「インテル入っている」の中核に「Kudanはいっている」となりました。これの業界初のマイルストーンを皮切りに、Kudanは今後も商用技術分野で業界をリードしていくことを目指しています。