Kudanを知る「6つの視点」

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世界を変える、ロボティクスとデジタルツイン

眼を持つことで機械は世界を理解し、動き回ることができる

 「機械の眼」である人工知覚(AP)を搭載した機械は、世界を理解し動き回れるようになります。こちらの動画では、クルマが環境を視覚情報で理解して探索する様子がご覧いただけます。

 これは、クルマが屋外から走行し、そのまま地下駐車場に入っていきながら、リアルタイムで地下駐車場の構造を理解し、自分の位置と動きを把握していく様子です。広いスペースを動き回っているのが見て取れますが、見えている3次元地図はあらかじめ作成したものではなく、クルマが動き回るのに合わせて生成し拡張しているもので、RPGゲーム内でダンジョンを探索して世界を広げていく様子に大変似ています。

眼を持つことでロボット化する機械

 私たち人間が自由に動き回るのに眼が必要であるのと同様に、「機械の眼」である人工知覚(AP)は、ロボットやコンピュータが現実の環境を理解して、動き回るのに不可欠な空間技術であり、
「機械の脳」である人工知能(AI)と結びつくことで、ロボットの完全自律移動、自律走行、自律飛行、自動運転、これらを実現するのに必須となります。

 眼を持つことで機械のロボット化(自律走行化)は、広範な分野で巨大な可能性を秘めており、産業の現場で作業や物流を支えるロボットから、人々の移動に役にたつ自動運転車、空飛ぶドローン、サービスに従事するロボットなど、これら全てが人工知覚が支えるロボットとなっていきます。

機械の眼によって、デジタル化する世界

 また、人工知覚(AP)は、「機械の眼」として現実空間を動き回りスキャンすることで、現実空間を3次元のデジタル情報に容易に変換することが可能です。

 屋内か屋外かに関わらず、人が動き回る環境や、車が走り回る環境や、ドローンが飛び回る環境など、ありとあらゆる環境を人工知覚(AP)技術を組み込んだ機器でスキャンすれば、現実空間をまるでそのままコピーのようなデジタルツイン(直訳するとデジタルの双子)を生成することができます。

デジタルツインによる空間情報のDX化

 現在デジタルツインは都市、インフラ、産業、土木、建築、工業など、多くの業界で注目され、開発が推進されています。たとえば、都市計画や建設計画、工場の設備変更や運営計画など、あらゆる計画策定を3次元情報に基づいて完全にデジタル化(DX)することで大幅に効率化されます。また、点検やメンテナンスなどの保全活動や設備運用においても現実空間さながらの3次元情報と紐づけデータベース化することで、あらゆる情報共有や運用効率が大幅に向上します。こうしてデジタル化された現実空間のコピーは、新たなサービスやソリューションなど、あらゆる次世代デジタル化(DX)ソリューションの基盤としての役割を果たすと期待されています。

Kudanが目指す次世代ソリューションの実現

 このようにKudanが人工知覚(AP)で取り組んでいるロボティクスとデジタルツインですが、これまでも従来技術でも様々な取り組みがなされてきました。

 例えば、ロボティクスにおいては、屋内では磁石のテープに沿って移動したり、2次元の平面だけ環境を理解したり、屋外では高精度GPSによって位置を認識したり、道路の車線を人工知能(AI)で学習してその認識に頼ったりしていましたが、それらによって大きな制約を抱えていました。

 これは人間に例えるなら、眼は見えていないが、杖は使える、点字ブロックや手すりは利用できる、学習したパターンだけ理解できるといった状況で、制約の中では機能する部分はあるものの、真の意味での視覚情報に基づく空間知覚(方向感覚や運動感覚)を持つことができていないということを意味します。

 その結果、真新しい環境や特別に整備されていない環境では全く身動きがとれない、複雑な環境になると間違って環境を理解する、屋内やビルの影では場所がわからなくなる、といった制約が多数あり、人間が対応可能な環境のわずか10%未満しか対応ができないという状況にあります。また、そのわずかな環境においても、「完全には眼で見えていないロボット」を補助するのに様々なコストが環境整備などにかかり、実用的に人間の代替をしづらいという壁にぶつかっています。

 同様にデジタルツインにおいても、従来技術ではどうしてもスキャンして動き回ることに制限があったり、非常に遅く大規模なデジタルツインの生成に莫大なコストがかかったり、専用センサーが必要となってデジタルツインの生成コストが非常に高くなったり、分散的に生成したデジタルツインを統合して大規模化することが困難だったり、さまざまな限定的・非効率な制約が存在しています。

 Kudanの人工知覚(AP)はロボティクスとデジタルツインにおいて、眼を他の技術によって代替してきたことによる多くの制約や非効率さを取り払い、真に機械の眼を提供することで、完全自律移動できるロボットや汎用的でスケール可能なデジタルツインを実現します。

 そして「機械の眼」が空間を知覚することで、機械の現実世界の理解と人間との相互作用における新たな可能性開くことができ、ロボティクスとデジタルツインは発展していくことができます。この二つの領域は合わせて最低でも数百兆円という、言うまでもなく極めて巨大な市場をこれから形作っていくものであり、それらを支え加速させていくのがKudanです。