Kudanを知る「6つの視点」

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現在、Kudanの技術は世に出始めている

高いライセンス収益を目指すビジネスモデル

 Kudanのビジネスモデルは、ソフトウェアのライセンス収入が基本となります。そして、ライセンス収入におけるプロジェクトの収益構造は仕込みの前半と、刈り取りの後半に分かれます。

 仕込みの前半では、開発ライセンスという形で、顧客がKudanの技術を用いて自社製品を開発するのを支援します。そして、顧客がKudan技術の採用を決定し、顧客製品の発売に向かって進むのが、顧客製品化と呼んでいる案件ごとのマイルストーンです

 仕込みの前半では、開発や支援の規模によってライセンス規模が決まりますが、後半の刈り取りにおいては、顧客製品の販売規模に従って大きく利益を伸ばすことができる構造であり、技術の普及に従って、非常に高い利益率を目指せるビジネスモデルとなっています。

顧客製品化が進み始めている

 人工知覚(AP)は、次世代ソリューション向けの先端技術として、Kudanはこれまで自社の技術を開発しながら、顧客の開発案件に多く取り組んできましたが、ついに2023年3月期からの事業進捗として、顧客製品化のマイルストーンを達成する案件が出てくるようになりました。2024年3月期末までで累計8件となっており、刈り取りフェーズに向かう案件が蓄積してきている状況です。

 その中身としては、ロボティクスでは産業用の自動搬送ロボットや、大型の配送ロボット等に採用されました。デジタルツインでは、手持ち、ドローン搭載、車載と様々なデジタルツイン向けのマッピング機器に採用され、インフラ点検や、土木測量、自動運転地図生成といった用途に利用されます。

最終顧客にも技術が届き始める

 また、Kudan技術の普及において、Kudanの深層技術を直接顧客が採用するだけでなく、その顧客製品をその先の二次顧客が採用し、最終的に最終顧客まで届いて、社会実装されることが重要となります。この観点においても事業は進捗しており、欧州のデジタルツインの事例を紹介します。

 現在、欧州では再生可能エネルギーのインフラ新設が大きく増えていますが、インフラ設備の管理をデジタルツインで大幅に効率化するデジタル化(DX)の取り組みが進んでいます。このデジタル化(DX)においては、Kudan技術を組み込んだ統合ソリューションが導入されますが、具体的にはKudan技術が組み込まれたマッピング機器を使ってデジタルツインを生成し、そのデジタルツインに基づいて設備管理情報をデータベース化し、そして最終顧客のシステムに統合して運用可能にした統合ソリューションを導入します。このような案件にあたっては、Kudanはパートナーと協働して統合ソリューションを構築し、欧州の再生可能エネルギーインフラへの実装を進めています。

 欧州では、脱炭素や脱ロシア産天然ガスの方針を受け、再生可能エネルギーのインフラ新設が飛躍的に拡大している中で、大型変電所などを含む長距離の送電網に対する大規模なデジタルツイン案件の推進に取り組んでいます。そして、Kudanは政府公共案件などとも連携をとりながら、このような社会実装を通して、Kudan技術が最終顧客にも浸透し、普及することを目指しています。

今後の顧客製品化に向けた開発案件も進捗中

 こうしてKudan技術が世に出始めている中で、今後も顧客製品化を継続し拡大してくために、数多くの開発案件にも取り組んでいます。

 ロボティクスでは、産業用の移動ロボットを中心に、自動運転や配達ロボットなど、多種多様なロボットに数多く取り組んでおり、さらには歩行ロボット、宇宙探査ロボットなど、世界最高水準の技術力を認められて非常に先進的な案件にも取り組んでいます。

 デジタルツインに関しては、日本でのスマートシティ向けのデジタルツインや、欧州の大手企業や国家機関とデジタルツインプロジェクト、そのほかにも多数のマッピング機器の案件を進めています。

 こうした取り組みがさらに実を結び、製品化と技術普及に向かうとともに、比類なき先端技術によって近未来世界の扉をあけることを目指しています。

事業フェーズの転換が開始し、刈り取りを目指す

 これら事業進捗の積み重ねによって、業績が上向き、伸びてきております。2022年3月期までは、案件は全体的に仕込みフェーズでしたが、2023年3月期と2024年3月期で顧客製品化の達成が開始し、事業の転換期を迎えています。

 2024年3月期からは顧客製品化を達成した製品などから得られる「製品関連売上」が売上の過半数を占めており、今後は刈り取りに進むべく、継続的な顧客製品化に加えて、顧客製品の進捗と普及を後押しして、Kudan技術の普及による飛躍的な成長を目指していきます。